十七日目 関駅〜三雲駅まで

日時宿場天候所要時間歩数距離交通費
2002年8月21日関〜水口晴れ10時間45分47488歩38.252km※約4500円

関宿の町並み

百六里庭より鈴鹿峠方向
名阪健康ランドで爆睡してすっかり蘇ったおいらは7時過ぎに草津線貴生川駅方面に向かい駐車場を探した。
なんせ草津線の他、信楽高原鉄道やら近江鉄道が集まるターミナル駅だからなんかしら有るだろうと見込んでいたら「コインパーク、ひまわり薬局となり」という看板を発見。一日500円也。爆安だ即決だというわけでここに放置することにした。道の駅や史跡などタダで停められそうな置き場所は色々有りそうだが目的外の使用はいささか気が引けるので民間の駐車場は有り難い。
で貴生川駅に向かうと柘植行きの電車は30分待ちだった。
うーん。時刻表位見ておくんだったと後悔しつつやって来た4両編成の電車に乗ると結構繁盛している。
柘植駅で関西本線に乗り換えて関駅に向かう。でこの先はメシ食えるような所は皆無だろうと途中のコンビニでおにぎり2個を弁当代わりに仕込み8時55分頃関の東木戸をスタート。
あらら、飛騨高山の古い町並みのように電柱が無いよ。えらいぞ関町、中部電力と思いつつ、高山同様普通のおうちも結構あるので観光施設以外はあんまりのぞき込まないように進むとどうやら資料館をすっ飛ばした様だ。
まだ1kmも歩いていないが百六里庭という庭園で休憩。で2Fにどうぞと書かれてあったので登っていくと関の町並みと鈴鹿の町並みが一望できる。

筆捨山

鈴鹿馬子唄会館脇の標柱

坂下宿本陣跡
再び歩き始め関宿に別れを告げて坂を下りR1を歩く。
標高800m以上ある箱根峠を一日でクリアした俺様には楽勝な緩やかな坂を登っていくと筆捨山の標柱があった。
どうやら通りすがりの絵師が書こうとしたがあまりの美しさに筆を捨ててしまったことからその名が付いたらしい。
この絵師は紅葉が見事な時にでも通りかかったのだろうか?どうみてもただの山にしか見えないおいらは別にカメラを捨てることなく坂下宿目指して歩き続ける。
10時50分坂下宿入り。鈴鹿馬子唄会館脇の坂を登っていくと「日本橋、品川、川崎」と書かれた柱が並んでいる。いや〜こうして街道を歩いてきたなぁという実感にジーンときますな。でバス車庫と化した本陣裏の公園で一息。
どうやら以前は学校だったようだ。
そして鈴鹿峠目指して再び歩き始めていきなり店先に並べてあるビールケースが強風で吹き飛ばされ道路に散乱していた。
通りかかったのもなんかの縁だろうと道路塞いでいるものだけ片づけておいた。魚釣りと称して小魚を虐待したり、無駄に車運転して大気汚染や炭酸ガス放出して地球温暖化を加速させたりと普段から悪行三昧の俺様だ。たまには良いことしないとな。

鈴鹿峠→?

片山神社への参道

片山神社

石畳と水飲み鉢(馬用)
で静かな坂下を後にしばらく歩くと「鈴鹿峠−>」という看板。
見るとそこには崩落を防ぐために崖のような斜面を丸太で押さえているのかと思えるようなとんでもない階段があった。
その傾斜たるやもはやはしご・・・。よく見ると東海自然歩道と書いてあったので一安心し再び大型トラックが行き交う国道一号をしばらく歩き、10分ほどで片山神社参道と書かれた静かな木立の間の旧街道へ進む。
で片山神社に突き当たると俺様に参拝して欲しくないのか急な勾配の石段がある。でそのまま道なりに坂を登っていくと再びR1に出てしまった。
そこで手持ちの地図を眺めるとR1を横断する事になっているがそれらしい道はない。
さらに完全東海道五十三次ガイドを取り出しよく読むと旧道は片山神社を右手にとの記述があり、こりゃ間違えたなと再び坂を下って片山神社に戻るとさっきは気づかなかったが右手に細い道があった。
特に標識はないがこっちだろうと進むとテーブルのある広場があり、朽ちかけた金属製の東海道の地図があり一安心。
石畳の道を進むと馬の水飲み鉢があった。そりゃ馬だってこんな所歩かされたら喉くらい乾くだろうけど・・コンクリート製の水鉢はなぁ。
説明書き読まんでこんな所に水場があるって飲んで説明書き見て愕然とする奴が絶対出てきそうだ。

鈴鹿峠現代版領界石

万人講大石灯籠

第二名神高速道路
でほぼ12時に鈴鹿峠に到着。ベンチすらないがここで昼食のおにぎりを平らげる。なにやら鏡石150mと看板に書いてあるが昨日は約50km今日は約40km歩かないといけない俺様には、東海道以外の150mはイスカンダルより遠いのでパス。
しばらく進むと三重県と滋賀県の県境に石標が立っている。いよいよ滋賀県だぜ。で薄暗い木立の中を抜けると両脇には茶畑が広がり、その先にはどうやってここまで運んできてしかも組み立てたのか不思議になるほど巨大な石灯籠。すぐ脇には屋根もあり、ベンチもありトイレ水道完備であとは自販機有れば申し分のない休憩施設が併設されていたんでさっき休んだばかりだがなんか悔しいので休憩。直下にはR1の鈴鹿トンネルが口を開けているので少々騒々しいが仕方がない。
でたっぷり休憩したので土山宿目指して歩く。
鈴鹿峠越えたら風が収まるかと思えば相変わらずの前かがみにならないと歩けないほどのとんでもない向かい風。
夏だからまだ良いけど冬場にこんなに風吹かれたら辛いだろうなぁ。と思いつつ1時間ほど歩いていい加減休みたいなと思ってたらバス停(屋根、ベンチ付き)がある。
たしか「道の駅 あいの土山」までくだらないとバスは無いと思ったが・・時刻表を見ると・・あはは無いも同然だった。
あと18時間休んでいてもバスは来ないようなので一休みした後、足つぼマッサージなんかされたらどこ押されても悲鳴を上げかねない足を引きずり歩き始めると突然谷を渡る立派な橋が目に入った。第二名神高速道路だそうな。無駄な高速道路作らせないぞと言う人たちもいるようだけどまぁ天王山トンネルから大津辺りの慢性的な渋滞と関ヶ原の雪を考えたら迂回路作る必要もあるわな。
これで伊勢湾岸自動車道とつながりゃ豊田から一宮の渋滞も解消すると思われるが・・・完成する頃にはおいら枯葉マークつけて事務荷転がしているんじゃなかろうか?
(あれから6年後の2008年にこの区間が開通してしまった。)

土山宿の町並み

土山宿本陣跡

松並木
「道の駅 あいの土山」でまたまた休憩。ところで「あい」って愛なの?藍なの?・・で鈴鹿馬子唄を思い出した。 「坂は照る照る鈴鹿は曇る。あいの土山雨が降る」馬子唄からのネーミングなのね。・・・で結局あいってなに?
あいの謎が解けぬまま道の駅脇の旧街道を進むと14時25分本陣跡がある土山宿。
外から眺めるだけだったがさすが大名クラス御用達だけに細かいところに彫刻が施されている。
で再びR1に合流し、しばらく歩くとコインランドリー発見。
洗濯物溜まっているというか明日着るものが無いので後で寄ろうと思いつつ野洲川を越えて途中に松並木もある旧街道に入る。
三重県内は1本だけポツンと松並木の生き残りが名残の松として何箇所かに有る程度だったもんなぁ。
ですっかり土山宿は過ぎたはずだが家々には旧屋号が掲げられている。おまけに旅籠なんとか屋というのもあるが、宿場以外で旅人を泊めちゃいかんはずなんだけどここまで江戸から遠く離れると徳川の威光も薄れていたんだろうか?

水口町入り口

水口宿東見附の木戸

商店街
合流地点
水口町に入ったところでベンチが有ったので休憩しているとパトカーに乗ったお巡りが俺様を怪しげに見つめる。
「警らご苦労様です。おいら決して怪しい者じゃ無いです。(汗)」
って精いっぱいの笑顔を浮かべて会釈しながら見送ったのだが余計に怪しまれたかもしれない。
でバイパスと旧国道の間の旧街道を歩く。しばらく道なりに歩いていると旧国道に出てしまうようだ。
あれ?と思っていたらおっちゃんに「おいっ!東海道歩いているのか?東海道はこっちだぞ」と声を掛けられた。
おっちゃんに礼をいい右手の坂を登って交差点を過ぎると程なく水口宿東見附の木戸があった。17時50分。
道は3つに分かれるが間を取って真ん中の道を進むと立派なアーケードがあるが悲しくなるほど閑散とした商店街だった。
三つ又の東海道は近江鉄道水口石橋駅前にて合流する。
ここいらで本日のゴールにしようかと思ったが明日のスタートを考えると草津線沿いの方が良かろうと草津線の三雲駅まで歩くことにする。

夕暮れ迫る松並木

夕闇の横田の渡し常夜灯
三雲駅まで歩くと決めたは良いがまもなく夕暮れを通り越して夕闇で地図はおろか足元さえよくわからん状態になり、加えて人家もまばらになってきた。
すっかり人家より田んぼの割合が増えてきた東海道を歩いていると、ベンチと街灯と若い松並木があったので休憩。もう土山から30分歩いては10分休むって感じで、もうヘロヘロの俺様である。
で人さらいでも出てきそうな一里塚を過ぎて程なく巨大な常夜灯が煌々と照っている横田の渡し公園にたどり着いた。
現在ここは橋が架かってないので下流の横田橋を渡りゴールの19時40分三雲駅にゴールイン。

おまけ

で三雲駅で20分程待って草津線に乗り込み一駅先の貴生川に向かう。
650円使って関まで行ってそこから11時間掛けて鈴鹿峠を越えて朝出た駅の隣駅まで行ったことに若干の不合理を感じつつ貴生川駅で降りた。
んで駐車場に向かっていると今朝500円で停めた駐車場のそばに一日400円の駐車場を発見してしまった。
悔しいので明日はこっちに停めようと思いつつ、道中目をつけた土山のコインランドリーを目指す。
なんせ2日分しか着るもの持ってきていないので明日着るものがないのである。
で俺様の汗とケモノのニオイが染みついた衣類を放り込んだがまだ余裕があったのでジムニーに積んであった毛布も一緒に入れる。
うーんコインランドリー初体験だがえらく時間掛かるのね。で乾燥機も100円ぽっきりじゃ生乾き。でさらに100円追加するのも乾燥時間12分もイヤだったのでそのまま撤収。どーせ車の中に一晩放置したら乾くだろう。
で今朝精算したら1000円の割引券をくれた上柘植の名阪健康ランドに向かい、温泉でくつろぐ。
そーいやプールが有るので泳いでみる。うーん2日歩き通しで泳げるとは相当俺様もパワーアップしたなと思いつつ昨日はそばを頼んで大失敗の大食堂は敬遠してどん兵衛(うどん)が俺様の晩飯になった。
このどん兵衛は汁がちょっと薄いようなもしかして関西仕様・・?まぁこっちの方が俺様的には好きなので全然OKだ。
でフライドポテトをビールで流し込み、仮眠室で爆睡。
※およそのガソリン代+と駐車場代と電車賃

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